2008年07月25日

411) googleのオンライン百科事典「Knol」

アメリカ時間(23日)にGoogleがオンライン百貨辞典である「Knol」を立ち上げたとニュースで
報じられました。これはgoogleによる「google版Wikipedia」になるそうです。その根本的な違い
は、記事について執筆者の権利を留保すると言うことのようです。又、それぞれの記事は参加を
認められた執筆者チームによって記述され、作成したページにはAdSense広告を掲載して収益の
分配を受けことができるのが特徴です。他の人も変更記事を投稿することはできますが、元の
執筆者が承認しなければサイトには反映されないようです。

この「Knol」ですが「unit of knowledge」(知識のユニット、単位)という意味のGoogleによる
造語であり、まだ日本語でどのように表記するか決まっていないようです。「ノル」が一般的の
ようですが、味の素のスープのクノール(knorr)と同じ発音でも良いような気がします。Googleに
よれば、Knol上では複数の人が同じ題目で記事を書くこともでき、Knolはこれを閲覧者に評価
ないしレビューしてもらい、そこでの評価をコンテンツの検索結果に反映させるようです。これに
より同じ題目について数え切れない記事を次々に見ていく必要もなくなるそうですが果たして
うまくいくのでしょうか?尚、Googleとしては、良いコンテンツを作ってもらうために金銭的なイン
センティブを持たせたということですが、もっとも良い記事に多くの注目が集まり、そしてより多くの
収益をもたらすということになります。すると、人気のあるタイトルに記事が集中し、百貨辞典と
言っても偏ったものになる可能性もあります。その前に、オンライン百貨辞典とは呼べぬ代物かも
知れません。

Wikipediaは無報酬であり、投稿者は世界中の知識を拡大しようという気持ちで記事を執筆していま
す。その記事の信憑性に疑問を持つコメントも多くありますが、報酬があるからと言ってもそれが信憑
性のあるものかどうかの判断にはなりません。金銭に目がいってしまうことも考えられます。日本語版
はアメリカの成功を待って立ち上がるのではないかと推測されますが、日本語版ができるかどうかは
何ともいえないでしょう。ちなみにWikipediaの日本語版には「Knol」の説明が、事細かく掲載されて
いました。情報をいち早く入手して投稿する人がいるのですね。それだけWikipediaがメジャーになっ
ている証拠ではないでしょうか?ちょっとした雑学を学びたいときは、やはりウィキペディアが重宝しま
す。大学生の論文でウィキペディアからの引用が多く、問題が生じたことがあったようです。参考にして
も参考文献も記載されていますので、参考文献情報を知るためのツールとしてのみ使用した方が良い
と思います。

世の中とても便利になりましたが、すべてがコンビニエンスでは困ります。水戸黄門のテーマソングで
はありませんが、「人生楽ありゃ 苦もあるさ....」のように、たまには苦も味合わないといけませんね。 

google "Knol" : http://knol.google.com

  


Posted by walt at 21:15Comments(0)