2008年07月15日

401)「The アメリカ、バドワイザーが外資に」

日曜日に、蝉による季節感の事を書きましたが、今日の夕方久しぶりにニイニイゼミの鳴き声を聞く
事ができました。会社の近所の公園で鳴いており、見つけることができました。自分としてはとても
嬉しく感じました。

以前から噂のあったアメリカのビール会社「バドワイザー」がベルギーのインベブ社に買収されること
が発表されました。総額約500億ドル(約5兆3,300億円)にのぼる買収金額となりました。「バドワイ
ザー」は生産・販売量で世界3位の米ビール最大手アンハイザー・ブッシュ社ガ経営していましたが、
経営を握る創業家のブッシュ一族は当初、売却に消極的だったが、インベブ社が買収額を当初の1株
当たり65ドルから70ドルに引き上げたため、受け入れを決めたようです。 これによって世界市場の
1/4を握るトップの巨大ビールメーカーが誕生し、世界1のビールメーカーとなりました。

アンハイザーの外国資本傘下入りで、米大手ビール上位3社から純粋な米国資本企業は姿を消す
ことになりました。現在世界首位のビール会社は英国・南アフリカのSABミラー社で、あの米国ミラー
ビールの親会社でした。新会社名は「アンハイザー・ブッシュ・インベブ」。年間販売量は約4,000万
キロリットルを上回り、売上高は約360億ドルとなるようです。売上高が約214億ドル、販売量が
約2,390万キロリットルで現在の世界首位、英SABミラーを上回るとのことです。インベブによる
買収案が表面化する前のアンハイザー株の最高値は約55ドルであり、今後単独で経営を続けても、
今回の買収提案額を上回る価値を株主にもたらすのは困難と判断しました。インベブは、米本社を
現在のアンハイザーの本拠地ミズーリ州セントルイスに置き、大規模なリストラは避けると言っている
ようです。

今回の買収劇には、最近の穀物や素材類の値上がりで原料の大麦や容器素材のアルミニウムが
高騰し、経営規模拡大を通じて購買力を強化し、仕入れ価格低減を図ることが目的だったようです。
又、インベブ社は欧州と南米に強みを持つため、米市場の半分を押さえるアンハイザーとは地域的な
補完関係が期待でき、欧米などの独占禁止法当局の審査を経て統合手続きを進めるようです。
買収は基本合意に至りましたが、実質の統合にはまだまだ時間がかかりそうです。2005年における
世界シェア上位5社はベルギーのインベブ(シェア14%)、英国・南アフリカ共和国のSABミラー
(同12.2%)、米国のアンハイザーブッシュ(同11%)、オランダのハイネケン(同8.1%)、デンマーク
のカールスバーグ(同4.4%)となっていました。巨大ビール会社はさらに新興国市場のローカル
ブランドのビール会社を買収して、傘下におさめているようです。

「ミュンヘン、サッポロ、ミルウォーキー」。札幌オリンピックの頃と記憶していますので36年前のことと
思いますがサッポロビールがこの「ミュンヘン、サッポロ、ミルウォーキー」をキャッチフレーズにCMを
流していたと思います。この3地域は緯度が同じくらいであり、ビールの生産地を表していたと思い
ます。世界で始めてビール醸造をしたのがミュンヘンの修道院でした。ミルウォーキーは多分当時バド
ワイザーの大きな工場があったからではないでしょうか?そのアメリカを代表するビールメーカーが
外資の会社になるとは多くの米国民は予想もしていな買ったと思います。我々が若い頃はバドワイ
ザーは憧れでした。アメリカといったらあの銀色に赤字の缶ビールが特徴でした。ハワイに行った時は
喜んでABCストアで6個入り(頭の部分がプラスチックで止められていました)を買い、ホテルの部屋で
飲んだものでした。

日本ではサッポロビールが外資のファンド会社より買収攻勢にあっています。もしかしたら、買収後、
即座に売って利ざやを稼ごうとしているかも知れません。いつの間にか、日本のビール会社も外資の
傘下企業になることも考えられます。バドワイザーと言えば、コカコーラと同じように米国を代表する
企業でした。米国民はこの件をどのように思っているのでしょうか?

  


Posted by walt at 22:28Comments(0)