2008年09月09日

457)今度は「南部鉄器」の商標申請問題

「南部鉄瓶」が欲しい、使用してみたいと思ったことありませんか?岩手県の特産物である
「南部鉄瓶」出お湯を沸かして飲むお茶は最高と聞いたことがあります。鉄瓶から出る鉄分
がおいしいお湯になると言われていたと記憶しています。当方も昔から南部鉄瓶を欲しいと
思っていましたが、購入することもなく今日に至っています。

今年4月に「305) やはり変だ中国の商標取得」で書きましたが、その時は、「特許庁が地域名
を冠した特産品などに商標権を与える『地域団体商標』(地域ブランド)に認められている
『九谷焼』や『美濃焼』、『松阪牛』、『鳴門金時』など日本の名産ブランドが、中国や台湾の
企業によって中国当局に商標申請され、『九谷焼』、『美濃焼』についてはすでに登録されて
いる」と言うものでした。あれから5ヶ月も経過しているにもかかわらず、何も手を打たず、又、
又右往左往して問題となっている事件が起きました。それは、岩手県の伝統工芸品である「南部
鉄器」です。南部鉄瓶は南部鉄器に属し、南部鉄器は熱伝導の高さとデザイン性を活かして、
各社工夫を凝らした急須や、ポット、なべ、釜、アウトドア用調理器具に至るまで様々なアイテ
ムをヨーロッパ中心に輸出しているそうです。又、赤や緑色のカラー急須は紅茶用の高級品とし
て人気があるようです。

ところで、今回の商標ですが日本では「南部鉄器」と書きますが、中国では「南部鐵器」として、
鉄の字が中国漢字として登録申請されたようです。南部鉄器は中国市場には本格進出していない
ようですが、今後中国の富裕層をターゲットにできる有力市場と思われるが、商標が登録される
と輸出できなくなること。又、中国で大量生産された安物がヨーロッパに「南部」として出回れば、
本格的な日本の南部鉄器のイメージが失墜してしまうことを懸念しています。申請を阻止するため
にようやくアクションを起こしたそうですが、いずれにしても行動が遅すぎます。
中国での申請は昨年9月だったとのことです。

この商標の件は中国のみならず、世界全体にいえることです。地域の特産物も日本市場のみ目を
向けるのではなく、世界に目を向けなければなりません。グローバルなビジネスとして捉えたい
ものです。今後人口減少による消費の低迷を打破するには、外国人観光客の購買力と世界の購買
力に頼るしかありません。よって、国内の全ての商品はグローバルな商標登録を視野に入れて
再調査すると共に今後の新商品についても同じような視点で商標登録してもらいたいものです。
「うなぎパイ」、「こっこ」は大丈夫でしょうか?春華堂さん、ミホミさん.....。

  


Posted by walt at 21:21Comments(0)