2008年03月19日

284) 硬水と軟水

昨日、ミネラルウォーター「エビアン」のことに触れました。本日もちょっと水のことに再度触れ
たいと思います。実は当方今月のお茶のクラブ(しずおか日本茶アドワンクラブ)の定例会で
硬水、軟水によるお茶の実験をしたばかりだったからです。

水には硬度(水中のカルシウムとマグネシウムの総和を炭酸カルシウム、または参加カルシウムの
量に換算した値で表したもの)があり、その単位は国によって異なりますが、日本では水1リットル
注に炭酸カルシウムが1mgあるものを硬度1としています。これはアメリカと同じであり、日本では
硬度100未満を軟水、それ以上を硬水と呼んでいます。ヨーロッパやアメリカでは硬水が多く、日本
の水はほとんどが軟水となっています。いわゆるミネラルウォーターはミネラル分が多いことを意味
しますので、硬度の高い硬水が狭義ではミネラルウォーターと呼ばれます。イギリスのローカル地域
に行ったとき、水道の蛇口をひねると白い固形物(炭酸カルシウム)が出てきたことを思い出しました。
又、キッチンに茶漉しのようなものがあり、それで固形物を取り除いたことを思い出しました。

日本茶インストラクター協会のテキストでは「軟水でお茶を淹れると、茶の成分が良く抽出され、
旨み。渋味、苦味がバランスよく出て、日本茶本来の味を引き出すが、硬度が低すぎる(10以下)と、
苦渋味を強く感じるようになり、日本茶には適さない。日本茶には、硬度50~80程度の水が適して
いると言われている。又、硬度が高すぎると、味は淡白になり、水色は無色に近くなる」と記載され
ております。日本ではほとんどが軟水ですので、日本茶の抽出には適していることになります。

硬水、軟水によるお茶の味の違いですが、今回のテイスティングで皆実感したことは、硬水エビアン
(硬度300)で淹れたお茶は、何の変哲もないお茶の色をしたお湯でした。テキストどおり淡白な味で
お茶特有の渋味、苦味が全くありませんでした。ただ、水色が無色には近くありませんでしたが....
又、とあるメーカーの硬度1の水と同じメーカーの硬度82の水で同じお茶を同じ条件で、同じ時間抽出
したものの見比べました。10人でテイスティングしましたが、当方の舌には硬度82のほうが後味もなく
飲みなれたお茶に感じたのですが、7名の仲間は硬度1のほうがおいしかったという結果でした。
硬度1のペットボトルの水と硬度82のペットボトルの水の違いは価格にもありました。硬度が高いほうが
価格も高かった次第です。硬度が低いほうがおいしいということは、あえて価格が高い水を買うことは
ないという結論になったわけです。当方は納得できませんでしたが、それだけ舌(味)には信憑性が
ないものと感じた次第です。それとも当方の舌が単に音痴かもしれません。すると、人には自分がおい
しく感じたものを紹介するわけには行きません。困ったものです。

昨年より、静岡のお茶の輸出が増加しており、海外では日本食ブーム、健康志向と言うことで日本茶
の需要が多くなっているようです。フランスでもお茶のイベントが大々的に行われたようですが、果たし
てどの水(硬水、軟水)を使用したのでしょうか?フランスといえばエビアンかボルビックです。本来
であればボルビックで淹れる方が良いのですが、渋味、苦味を抑えるためにエビアンをわざと使用した
かも知れません。それは当事者でなければ分からないことですが....

味、嗜好は人によって違うので断言できませんが、お茶を淹れて飲むのであればできれば、軟水で
お茶を淹れて欲しいと思います。エビアンを常飲していても、お茶を淹れるときはエビアンではなく、
水道水を沸騰させて飲んでもらいたいと思います。








Posted by walt at 21:56│Comments(0)
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