2008年03月18日

283) 伊藤園がエビアンの独占販売

一昨年だったと思いますが、シアトルコーヒーのタリーズコーヒーが伊藤園によって買収され子会社と
なりました。「おーいお茶」のペット茶で圧倒的なシェアを取っている伊藤園が飲料としてのコーヒー
に眼を付け結果です。又、伊藤園は野菜ジュースも手がけています。その伊藤園ですが3/14にフラン
スのミネラルウォーターの「エビアン」の日本での独占販売権を取得したとのニュースがありました。

伊藤園は3月14日、フランスのダノングループから、ミネラルウォーター「エビアン」の日本国内におけ
る独占販売権を取得することで同社と合意したと発表しました。これまで同商品の独占販売権を保有
していた企業はあのカルピスであり、1987年にエビアンの独占販売権を取得し、2000年には伊藤忠
商事、味の素との合弁会社「カルピス伊藤忠ミネラルウォーター」を設立して同商品の輸入・販売を
手がけてきました。しかし、カルピスは国内向け乳性飲料、健康/機能性食品、海外向け飲料といっ
た分野に経営資源を集中すると言うことで、今回ダノングループとの契約を解除し、伊藤園が引き継ぐ
こととなりました。

伊藤園は2002年5月にカルピスとエビアンの販売契約を締結。2005年5月には市販用500mlペット
ボトル商品、2007年4月には1Lペットボトル商品について、それぞれ移管を受けている。今後は残る
全商品の販売も伊藤園が引き継ぎます。又、伊藤園は伊藤忠商事と共同で、エビアンに関する業務
を手がける合弁会社を4月14日に設立する予定とのこと。これにより緑茶飲料や野菜飲料に次ぐ重要
分野として、ミネラルウォーター事業を強化していくということになります。これで、伊藤園は炭酸飲料
を除く飲料を総合的に扱う企業となります。

企業の戦略としてはとても良いことと思うのですが、どうしても解せないことがあります。日本茶を少し
かじっている当方としては、なぜエビアンなのか?と言うことです。ボルビックではないのか?という
ことです。ボルビックもエビアンと同じダノングループの飲料で、キリンビバリッジが日本での販売権を
持っています。エビアンもボルビックも同じフランスのアルプスから採れるミネラルウォーターです。
しかし、この2種類のミネラルウォーターは決定的な違いがあります。エビアンは硬水であり、ボルビ
ックは軟水です。エビアンを飲んだとき、普段我々が飲んでいる水と違うなと思ったことはありません
か?ボルビックは日本の水に近い軟水ですので抵抗なく飲むことが出来ます。水の硬度は1リットル
中の炭酸カルシウムの量により硬度が決定されます。エビアンは硬度が焼く300、ボルビックは硬度
約80です。日本の水道水は硬度が40から80ぐらいだそうです。よって、日本の水はボルビックに近い
わけです。硬水で日本茶を淹れた事がありますか?エビアンで日本茶を淹れると、全く渋味も、うまみ
も感じないお茶となってしまいます。日本茶インストラクター協会のテキストでも、「高度の高い水で茶
を浸出すると、味が淡白になり、香りも薄く、浸出液は白く濁ります」と記されています。よって、ペット
茶シェア日本一の伊藤園が、お茶をおいしく淹れることのできない硬水(エビアン)を何故販売するのか
分かりません。独占販売権取得前の役員会で議論にならなかったのでしょうか?

ニュースを聞いてそんなことを思ってしまいました。




Posted by walt at 21:50│Comments(2)
この記事へのコメント
なるほど、その通りですね!
Posted by 風のちょこまさ at 2008年03月19日 07:10
風のちょこまさ さん

ご賛同ありがとうございます。
当方が伊藤園の株主だったら、総会で質問したかったです。
Posted by waltwalt at 2008年03月19日 23:57
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283) 伊藤園がエビアンの独占販売
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