2007年12月06日

183) 「日経ものづくり」の記事に思うこと

日経ものづくりの記者である池松 由香さんの記事に目が留まりました。それは「レストランで恋人のお皿に髪の毛が・・・あなたならどうする?」と言うものです。

工場カイゼンをテーマにしたフォーラムの食品製造における品質をテーマに参加した時、カイゼンの現場指導や人材育成を手掛けるPEC産業教育センター副所長の山崎昌彦氏が「レストランで恋人の女性のお皿に髪の毛が入っていました。さて、あなたならどうしますか?」と質問されたそうです。テレビ番組で放映されていた内容のようで、番組では、300組のカップルから「実際にどうしたのか」を調査し、その結果に対して3,000人に「どの対応が良いと思うか」を投票してもらったとのこと。山崎氏は,結果を言う前に分科会会場の男性数人に「あなたならどうする?」と聞きました。

『ある男性は「何も言わずに自分の皿と交換します」。別の男性は「店員を呼んで文句を言います」と答えたようです。言い方にも寄りますが、そこにいた女性だったらたぶん、店員さんに申し訳ない気持ちになるでしょう。店側の過失は明らかなのですが、その店員さんの責任だとは言い切れないからです。

3,000人の投票で1位を獲得した対応は、とても創造性豊かなものでした。まず、店員さんを呼びます。そして、大きな声で明るく「宝くじが当たった!」と言います。「ん?」。客や店員など店中の人が注目したところで、呼び付けた店員さんに「次は大盛りでお願いします」と伝えるわけです。これで店中の人が笑顔になったのだそうです。

この対応に教えられるのは「相手の立場を想像することの素晴らしさ」です。まず、この言い方なら店員さんは怒られている気がしません。気分良く、(たぶん大盛りの)新しいお皿を持ってきてくれるでしょう。でも、それが秘密裏に行われていればお店に対してよくありません。ミスはミスとしてきちんと認めてもらい、再発を防ぐことも優しさ。ただし、「怒りをぶつける」という形ではほかの客も気分が悪いもの。そこで「宝くじが当たった」という表現が生きるわけです。なんでもないことのようで、よく考えてみると深い意味のある対応だと感じました。』

と言うものでした。

このコラムを読んで、当方はいつも店員を呼んで指摘するか、もし自分の器であれば髪の毛ぐらいは大目に見て黙っています。
以前妻の皿に毛が入っていました。それもハンバーグの中にです。その時は指摘して新しいものに変えてもらいましたが、新しいものも心配であり、妻はハンバーグをほぐして食べていました。支払いのときは、ライスの料金のみ無料で、妻のみコーヒーをサービスしてくれただけです。そして、当方の分はしっかり請求されました。多分この店のやり方なのでしょう。当方は憤慨しましたが、この手の店は行ってもしょうがないので黙って帰りました。そして、その店には二度と行かなくなりましたが、当方だけが気まずい思いをしたように思えてなりませんでした。

その状況が思い出されたのですが、この模範解答は三方良し(自分良し、他のお客さん良し、お店良し)となりますが、「そのような言い方も悪くないな」と思う反面釈然としません。お店が本当に非を認めたのであれば問題はないのですが、大盛りが来て済まされるだけであれば、当事者である本人のみが我慢したことになります。大盛りを持ってこられても食べれないかも知れませんし、おいしくなくて食べたくないかもしれません。そしたらどうする?どう言うのがベストでしょうか?「次は大盛りでお願いします」と言われ、新しい料理を持って来ても、何らかの付帯サービスが必要ではないでしょうか?

この記者は「消費者としても,ものを造る側としても,相手の立場を想像することの意味は大きい」ということを言いたかったのですが、勿論その通りではありますが、ものを造る側がもう一歩踏み込んだ対応まで考えなければならないと思います。その点まで触れてコラムを書いて頂ければ良かったと思いました。






Posted by walt at 22:23│Comments(0)
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