2010年04月27日

992) 防犯カメラで犯罪防止できるの?

このところテレビニュースや新聞で「防犯カメラ」の設置について多くの報道がされています。タクシーでの犯罪が増える中でドライビングレコーダーを車内に切り替えると車内の様子が録画できるようになり、犯罪の様子を録画できる為、タクシー会社では設置に積極的のようです。ドライビングレコーダーは運転中急ブレーキを踏んだ時に前後の録画をするものですが、ボタンで切り替え車内の録画ができるようになったことは画期的です。又、JR東日本の埼京線では、昨年12月以降、列車2本(10両編成)の車両1両ずつに計6台のカメラを設置したそうです。警視庁によると、昨年都内で届け出のあった電車内での痴漢被害は、同埼京線が全路線で最多の173件(月平均約14.4件)だったが、今年1,2月は計15件(月平均7.5件)とほぼ半減したそうです。その為、一定の効果があったとして、同線を走る他の列車30本すべてに設置を拡大すると発表しています。また、JR東日本が先月、15~69歳の鉄道利用者(男女)を対象に調査したところ、1,032人のうち、電車内へのカメラ設置への賛成が89%。「プライバシーが侵害されるか」との問いには62%が否定したという結果が出たことも発表しました。

その他、乗客同士のトラブルや駅員に対する暴力への対策のほか、混雑時の乗客誘導にも活用しようと、東京メトロは今年度中に、高画質・高機能の新型防犯カメラを地下鉄全駅の構内に設置すると発表しました。2007年度から各駅に順次設置している新型の防犯カメラについて、これまでの117駅から10年度は全170駅に設置を拡大し、台数も、昨年度より1,832台多い計6,542台に増やすとも公表しました。各駅の様子を1か所で同時に把握できるのが特徴で、テロ対策にも活用できるとのこと。京急電鉄も遠隔操作できる新機種を導入するなど、鉄道各社の多くが防犯カメラ之設置を拡充しているそうです。鉄道のみならず、賽銭泥棒の被害に遭っている神社に設置したり、商店街の夜間のいたずら監視としてのカメラの設置もされています。コンビニでは当たり前になっています。以前はプライバシーの問題から、設置には消極的でしたがこのところは状況が変わったようです。世の中が物騒になり犯罪を抑制しようすること、カメラで撮って録画して犯罪の証拠にしようとする動きが活発になった事もありますが、カメラの性能アップや、ハードディスクに長時間録画できることになり、又、簡単に上書きできるようになったことも、設置が普及していることと思われます。ハリウッド映画などで監視カメラの映像を国家安全保障局なる組織が集中コントロールして、容疑者を追うことがしばしば登場しますが、まだ日本の場合はカメラの置台数が少ないため、同じようなコントロールはできないと思いますが、何時かそのような日が来るかもしれませんね。

CCDカメラの設置に関しては全く異論はありませんが、ほとんど全てのマスコミが「防犯カメラ」という表現をしている事がどうしても気になります。「防犯カメラ」の表現が正しいものか疑問に思うからです。CCDカメラを設置することによって犯罪を抑制することはできても犯罪は防止できないと思うからです。英語ではセキュリティカメラとかサーベイランスカメラ等と言うと思います。日本語に直すと「監視カメラ」となると思います。当方10年以上前になりますが、会社の事業でセキュリティ関連商品を扱ったことがあります。その中には勿論CCDカメラもありました。当時は「監視カメラ」と業界では呼んでいたと記憶しています。カメラで犯罪は防止できないという考えからです。しかし、このところ何故か「防犯カメラ」が当たり前のように使用されています。 いまさら呼び方を変更することはできないでしょうが、当方はこだわり続けると思われます。「監視カメラ」の方がマッチしていませんか?

ちょっと前までは「水と安全」はおカネを出さなくても良かったのですが、いつの間にかその神話は崩れ、「水も安全」もおカネを出して買う時代となってしまいました。良いか悪いかは別としても、日本の良さが失われているような気がします。これも時代の流れなのでしょうね。




Posted by walt at 00:50│Comments(4)
この記事へのコメント
なるほど、納得のご高察です

知らない間に、町中カメラが氾濫しているかもしれません
そのような状況で生活することが、
安心を感じられるのか、息苦しいのか、
私にはわかりません。

防犯=カメラ設置の短絡的な考えには、
積極的に賛成できない所がありますが、
プライバシーを声高に叫ぶ人権派にも、
眉を顰めます。

カメラの最小化とHDの大容量化
グーグルマップと連動で、世界中リアルタイムで
誰でも見れるのが、当たり前になると、
この議論すら陳腐化するのでしょうね


いつも、面白い考察、楽しませて頂いています。
Posted by メンズヘア専門店Moo-bzメンズヘア専門店Moo-bz at 2010年04月27日 08:02
メンズヘア専門店Moo-bzさん

監視カメラをたくさん取りつけても、それを見て異常があれば対処するのは
人です。24時間休む間もなく人が監視するのは不可能です。よって、多くの場合、事後の記録の確認と証拠をつかむためのカメラとなっています。それでは、犯罪が起こった後に使用されるわけで、防犯にはなりません。人の心理から見られていることによる抑制効果のみになると思います。
やはり、使用目的をはっきりさせて、監視カメラを設置するべきでしょうね。
Posted by waltwalt at 2010年04月28日 14:02
「監視カメラ」はカメラを設置するサイド視点の名称ではないでしょうか。
お客様からすると監視されることは不愉快に感じられるに違いありません。お客様サイド視点で、お客様の安全のために犯罪を防ぎます、という名目で言葉を和らげた着地点が「防犯カメラ」なんだろうと思います。
また、一昔前は防犯カメラは隠すものだったと思いますが、現在はカメラを見せた方が犯罪抑止力があることが明らかになっていますし、個人情報保護の観点からも録画を告知することを行政が推奨しています。
そういった立場の変化も絡んでそうです。
Posted by RRD at 2010年04月28日 17:41
RRDさん

カメラが普及し始めた時、コンビニなどにいち早く設置されましたが
4つあるカメラの打ち2つはダミーカメラであったことがあります。
ホームショップなどで、モックのダミーカメラが販売されていたことも
あります。結局抑制効果を狙ったものと、コスト削減のためだったと
記憶しています。
なるほどお客様サイドの視点だと「防犯カメラ」が良いかもしれませんね。
Posted by waltwalt at 2010年04月30日 23:36
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