2010年02月17日
955) 6次産業は農業の新しい形態となるのか?
「第六次産業」という言葉を聞いたことがあると思います。産業構造の中で農業や水産業を
一次産業と呼び、加工・製造業を二次産業、流通・販売業であるサービス業を三次産業と呼
んできました。そして、農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開
している経営形態を今村奈良臣氏が提唱した六次産業であり、いわゆる造語です。第一次産
業の1と第二次産業の2、第三次産業の3を足し算すると「6」になることからでき上がった造語と
いうわけです。この六次産業という言葉は色々なところで使用されています。有識者も今後の
六次産業の重要性を唱えています。すでに身近な例では、生産農家が農産物の直売場を作り
販売したり、農家の主婦が共同でレストランを経営したり、農産物加工品を製造して販売した
りしています。今後は、このような事業形態が増えていくと思われます。
逆六次産業とでも言うのかもしれませんが、三次産業者が農業に進出ケースも増えています。
居酒屋チェーンの和民が自社農場で採れた食材を提供したり、ヨーカ堂やジャスコが自社農場
契約農場を持ち、採れたての野菜を店頭で販売しています。本日の新聞では牛丼の吉野家が
農業に参入すると発表しました。横浜市で地元の農家と共同で農業生産法人を設立し、まず
牛丼用のタマネギを生産し、吉野家が全量引き取るそうです。2020年までに全国各地で農業を
手掛ける考えで、野菜を安定調達するほか、消費者の食の安全・安心意識の高まりに応える
とのことです。生産法人「吉野家ファーム神奈川」をすでに設立済みで、資本金は170万円、
吉野家が10万円、残りを提携農家などが出資しているとのことです。
この生産法人は32アールの農地を借り入れ、今年4月までにタマネギ20トン(牛丼60万食分)を
生産するそうです。また、今後5年以内に借り入れる農地を5ヘクタールにまで拡大し、お新香用
の白菜や大根などの生産も目指す計画です。吉野家は横浜市で生産ノウハウを蓄積し、20年まで
に全国の20以上の自治体で農業を手掛ける計画をもくろんでいるそうです。この仕組みは、消費
者の食に対する安全・安心を提供するものではありますが、まず吉野家としては、相場で価格が
決まる野菜を安定供給、しかも安い値段で仕入れることができます。それは、消費者にとっても
良いことです。又、農家にとっても極端な値崩れすることなく安定した収入を得られますので、三方
良しとなりなります。しかし、流通形態が異なる事による弊害も生まれます。
当方が学生の頃、経済学の流通論では「問屋不要論」がありました。流通革命により問屋(商社)
が無くなると言う考えです。しかし30年経った現在、それを唱える学者の先生はいません。又、問屋
さんが無くなりませんでした。「そうは問屋が卸さない」と言いますが、まさにその通りでした。しかし、
これからは本当にそのような時代が来るのでしょうか?当方が学生だったころは日本の人口が減る
などと言う考えは全くありませんでした。経済が成長する時代でした。これからは日本の人口が減っ
ていくという事を考えると、今までの経済理論が全く当てはまらなくなり、経験のない時代となってい
きます。となると問屋不要の流通革命は本当に起こるかもしれません。さて、どうなることでしょうか?
一次産業と呼び、加工・製造業を二次産業、流通・販売業であるサービス業を三次産業と呼
んできました。そして、農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開
している経営形態を今村奈良臣氏が提唱した六次産業であり、いわゆる造語です。第一次産
業の1と第二次産業の2、第三次産業の3を足し算すると「6」になることからでき上がった造語と
いうわけです。この六次産業という言葉は色々なところで使用されています。有識者も今後の
六次産業の重要性を唱えています。すでに身近な例では、生産農家が農産物の直売場を作り
販売したり、農家の主婦が共同でレストランを経営したり、農産物加工品を製造して販売した
りしています。今後は、このような事業形態が増えていくと思われます。
逆六次産業とでも言うのかもしれませんが、三次産業者が農業に進出ケースも増えています。
居酒屋チェーンの和民が自社農場で採れた食材を提供したり、ヨーカ堂やジャスコが自社農場
契約農場を持ち、採れたての野菜を店頭で販売しています。本日の新聞では牛丼の吉野家が
農業に参入すると発表しました。横浜市で地元の農家と共同で農業生産法人を設立し、まず
牛丼用のタマネギを生産し、吉野家が全量引き取るそうです。2020年までに全国各地で農業を
手掛ける考えで、野菜を安定調達するほか、消費者の食の安全・安心意識の高まりに応える
とのことです。生産法人「吉野家ファーム神奈川」をすでに設立済みで、資本金は170万円、
吉野家が10万円、残りを提携農家などが出資しているとのことです。
この生産法人は32アールの農地を借り入れ、今年4月までにタマネギ20トン(牛丼60万食分)を
生産するそうです。また、今後5年以内に借り入れる農地を5ヘクタールにまで拡大し、お新香用
の白菜や大根などの生産も目指す計画です。吉野家は横浜市で生産ノウハウを蓄積し、20年まで
に全国の20以上の自治体で農業を手掛ける計画をもくろんでいるそうです。この仕組みは、消費
者の食に対する安全・安心を提供するものではありますが、まず吉野家としては、相場で価格が
決まる野菜を安定供給、しかも安い値段で仕入れることができます。それは、消費者にとっても
良いことです。又、農家にとっても極端な値崩れすることなく安定した収入を得られますので、三方
良しとなりなります。しかし、流通形態が異なる事による弊害も生まれます。
当方が学生の頃、経済学の流通論では「問屋不要論」がありました。流通革命により問屋(商社)
が無くなると言う考えです。しかし30年経った現在、それを唱える学者の先生はいません。又、問屋
さんが無くなりませんでした。「そうは問屋が卸さない」と言いますが、まさにその通りでした。しかし、
これからは本当にそのような時代が来るのでしょうか?当方が学生だったころは日本の人口が減る
などと言う考えは全くありませんでした。経済が成長する時代でした。これからは日本の人口が減っ
ていくという事を考えると、今までの経済理論が全く当てはまらなくなり、経験のない時代となってい
きます。となると問屋不要の流通革命は本当に起こるかもしれません。さて、どうなることでしょうか?
Posted by walt at 22:41│Comments(0)