2010年02月16日

954) 台湾で紅茶復活

このところ、新聞の経済面を良く見ます。経済関連の記事で興味を引くものがないかチェック
するためです。今日は読売新聞の台湾の紅茶が復活している記事に興味を持ちました。台湾に
旅行された方は多くいると思います。そして、お茶屋さんでウーロン茶を試飲して、普段茶葉
から飲まないウーロン茶を購入して、お土産にする人がいることと思います。現在当方はお茶
に興味(特に日本茶ですが)を持っていますが、仕事で台湾に住んでいた3年間は、興味を持つ
ことが無く、その時にもっと台湾のお茶に興味を持って、色々なお茶を飲んでいれば、今は又
異なった人生を歩んでいたのではないかと思っています。今日の記事を読んで、今まで何故
気がつかなかったのかと思う程の内容でした。ウーロン茶も紅茶も同じ製造方法です。ウーロン
茶の発酵を進めれば紅茶になるのです。しかし、台湾紅茶についてはまったく聞いたことがなか
ったからです。

新聞記事によると、台湾紅茶は日本統治時代に日本人がもたらし、1930年代から1960年代まで
隆盛を極めながらも長らく没落状態にあった台湾紅茶が復活の兆しを見せているという事でした。
それは、1999年の台湾大地震後の復興策の一環として、過去最大の産地だった中部・南投県魚池
郷が生産を約30年ぶりに再開したところ、「新しい味」として台湾紅茶の人気に火が付いたとのこと
です。台湾茶販売の老舗店「新純香茶行」によると、台湾紅茶が脚光を浴び始めたのは「この2年
くらい」で、一般的な台湾紅茶は100グラムで200~600台湾ドル(約560~1,700円)。輸入品の
10倍前後の高値だが、4年前から取り扱いを始めたところ、売り上げが3割伸びたそうです。渋味を
抑えたまろやかな味が特徴で、地元客や海外からの客にも「一味違った紅茶」と人気を呼んでいる
そうです。

日本でもこのところ国産の紅茶が目につくようになりました。静岡県内では丸子の紅茶が有名です
が、川根でも作られています。県外では、三重県や滋賀県で紅茶生産の動きが強く、日本一の紅茶
生産を目指すと言っている産地もあります。何故、国産紅茶かと思う人が多いと思いますが、かつて
日本は紅茶を輸出していました。その後、インドやセイロンから安い紅茶が入ってきて、日本の紅茶
は世界に通用しなくなりました。台湾では1920年代後半に台湾総督府中央研究所勤務の日本人
技師新井耕吉郎氏が、海抜約800メートルの盆地にある魚池郷の寒暖の差が大きい気候条件等が
栽培に適していると判断し、インド産アッサムなどと台湾の原種を交配させるなどして独自の紅茶
を作り上げ、日本や欧米にも輸出されたそうです。しかし、その銘茶も1970年代以降、安い茶葉を
混合した粗悪品が出回り、信用が失墜し1980年代以降は市場からほぼ姿を消してしまったとのこと
です。

「一味違った紅茶」と言うことで人気があるようですが、日本の紅茶も台湾の紅茶もお茶の葉の種類
がインド、セイロン(スリランカ)紅茶と異なります。その為、苦みが少なく砂糖なしでも紅茶の香りや
味を楽しむことができます。台湾には東方美人というウーロン茶がありますが、これは発酵度が強く、
紅茶と間違える人も多くいるほどです。欧米のお茶の飲む文化では砂糖を必要とします。しかし、
我々のお茶の文化では砂糖は入れません。紅茶も砂糖を入れなくて飲めることを多くの人が知れば、
国産の紅茶はもっと飲まれるようになると思います。そして台湾の紅茶もしかり。日本も、台湾もこれ
から紅茶が伸びていくことを期待するばかりです。
 





Posted by walt at 23:21│Comments(0)
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