2010年02月03日

943) 部品の35%が日本製(ボーイング787)

会社更生法の適用で再建を目指す日本航空の新経営体制が発足しました。京セラの創業者である
稲盛和夫氏が日本航空の会長に就任しました。会長は「再建は十分に可能」と強調するが意識改革
を含め厳しいリストラを実行しなければ再建は難しいと言われています。再建期間は2012年度まで
の3年間で、グループ全体で約15,700人削減、不採算な国際・国内線合計31路線を廃止、110の
子会社を半減させ、航空機材も刷新してジャンボ機は5年後にゼロにするなどがあげられています。
すでに成田空港では真っ白に塗り替えられたジャンボ旅客機がお目見えしたそうですので、売却先
が見つかったのか、それとも準備している最中なのかでしょうか。そのような航空産業状況の中
昨年12月に2年遅れでボーイング社の最新鋭中型旅客機787が初飛行を果たしました。

この最新鋭の旅客機ボーイング787はアメリカのシアトルで最終組み立てが行われており、全日空
への納入が決まっているそうです。世界で一番早く導入され、早ければ年末には就航する見込みの
ようです。全日空は2004年に世界の航空会社に先駆けて50機の導入を決め、本格的な開発に着手
したそうです。その結果、最初に受け取ることとなった全日空は積極的に開発に加わり、技術者が
シアトルに駐在したそうです。標準装備として無かったワイパーの設置をしたり、トイレの温水洗浄
便座も要望によって取り付けられたそうです。

このボーイング787の部品で日本メーカーの請け負う比率が過去最高の35%にも及んだことが話題
となっています。今まで旅客機の洗面所のシェア50%を誇るジャムコ社は隠れた優良企業として度々
経済関連ニュースとして取り上げられてきましたが、今回は東レが開発した炭素繊維の複合素材が
最大の特徴となっています。従来はアルミ合金であった機体が、髪より細い直径5~7ミクロンの炭素
繊維の糸を束ね、樹脂で熱処理し、鉄より10倍の強度があり、しかも15~20%も軽くなったそう
です。この素材がすでに16年間で6,000億円の受注を得ているとのことです。又、三菱重工業が
主翼、富士重工業が主翼連結部、川崎重工が前部胴体の部品を製造するとになっているとのこと
です。日本の技術を集結したボーイング787、全日空のみならず日本航空でも導入が決まっていた
はずですが、この先どうなることでしょうか?ジャンボ機をゼロにして、この中型旅客機を中心にして
いくのでしょうか?

今回のボーイング社と日本企業の結びつき、ホンダの小型ジェット機参入などで、自動車産業のみ
ならず、航空機産業へも進出し始めた日本企業、さあこれからという時に日本航空の会社更生法適用
は隠れた痛手になっていることでしょう。過去日本は高性能な飛行機を作って来た実績があります。
自動車産業のみならず航空機産業にも是非その技術力を発揮してほしいものです。



Posted by walt at 22:53│Comments(0)
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