Walterのモノローグ　-50にして天命を知った後-

今朝の日本経済新聞の1面はヨーカ堂が30店舗を閉鎖するという記事でした。1972年以来初めて
3月～8月の決算で赤字になったようです。その対策の一環と言うことでしょう。スーパーの売り上げも
百貨店と同じように年々減っているそうです。JALの富士山静岡空港からの撤退の話が出ていますが
30店舗の中にはヨーカ堂富士店の今期中の撤退が入っているそうです。10年ほど前の話になります
がスーパー業界ではダイエーと当時のイトーヨーカ堂がよく対比されました。生鮮食料品を多く扱う
ダイエーと衣料中心のイトーヨーカ堂では決定的に利益率が違うことを学んだことがあります。
ヨーカ堂のほうが圧倒的に高かったのです。そして、優良企業としてのレッテルを張られましたが今
思うと、その面影がなくなっていると言うことでしょう。それとは対照的ですがイオングループは大きな
投資をしています。富士宮のイオンは現行の倍以上の増築工事をしています。あの場所にこれほど
までに大きなショッピングモールができて、採算に合うのかと思うほどのものです。イオンさんのこと
ですから緻密なプランの基実行していることと思いますが、それにしても驚きです。ヨーカ堂とイオンの
違いの本が経済学者から出版され、その内情が詳しくわかるのではないかと勝手に推測しています。

今年の夏にユニクロから990円のジーンズが発売されたと思ったら、今度は8月にイオンがトップ
バリューブランドで880円のジーンズを発売しました。そしたら昨日今度は西友が850円のジーンズを
発表しました。最安値であると西友の担当者は豪語していました。これで、経済学者が心配していた
負のスパイラルに突入したことが明らかとなりました。昨日の西友のプレス発表（ホームページより
抜粋）では、「西友、『みんなのジーンズ』を圧倒的な低価格で発売。今回発売する低価格ジーンズは、
キッズからシニアまであらゆる年代層に合うサイズを取り揃えた、全14スタイルをご用意したジーンズ
で、850 円、800 円、750 円という圧倒的な低価格だけでなく、安心の品質とシンプルなデザインを
実現した商品です。カラーは、いずれもブルーとネイビーの2 色です。」とのこと。西友は、今年2 月
より、低価格にこだわっただけでなく、ユーズド感を加えることでデザイン性を向上させた1,470 円の
ジーンズを販売していますが、それより裳低価格なジーンズを出してきたことになります。ウォール
マートグループの一員として、ウォールマート流通網を利用し、大量に調達し、また、縫製は安いバン
グラディッシュで行ったとのことです。安いことは消費者にとって良いことではありますが、記者発表の
席で敢えて「安いバングラディッシュで縫製をした」という必要があったのでしょうか？この言葉には
明らかにフェアトレードではない、匂いがプンプンします。

さて、低価格ジーンズですがフジテレビのめざましテレビで面白い実験をしていました。それは1,000
円を切る価格のジーンズと7,000円台のジーンズとの比較です。20代の若者がサンプルとなって
回答していましたが、みんな10,000円から20,000円のジーンズをはいていました。購入のポイント
はデザイン、履き心地でしたが、4本の安いジーンズとその他1本のジーンズの見た目、履き心地の
差がわからなかったようです。そして、色落ちのテストを試験場でしたのですがこの5本とも色落ちは
せず遜色がなかったようです。それだけ、安いジーンズでも品質が上がったということです。安かろう、
悪かろうの時代は遠の昔になくなっているということです。10,000円から20,000円のジーンズを履く
若者は多分見栄もあり、このような1,000円以下のジーンズは多分購入しないでしょう。すると、ター
ゲット客はどの世代になるのでしょうか？当方ジーンズはもってはいますが、ほとんど履きませんの
で、1000円以下と言っても触手は伸びません。ただ、作業着という扱いにすれば買うかもしれま
せん。さて、完売となるのか、それとも在庫となるのか今後数字が明らかになることでしょう。

さて10月に入り今年も残すところ3か月となりました。クリスマス、年末商戦が待っていますが、次に
どの会社が何をしかけて来るのでしょうか？多分価格で勝負してくることでしょう？アッと驚くか、それ
とも....