2007年09月14日

99) 苦情とクレーム

西武百貨店でお客様相談室長をされ、現在、お客様相談の講演をしているメデュケーション代表取締役関根 眞一氏のコラムが日経netにありましたので参照させていただきます。関根氏は百貨店でのお客様クレーム対応を長く担当され、その対処方法を多くの方に伝えている方です。

まず、関根氏曰く「苦情」と「クレーム」は異なり、「苦情」とは、不満や不公平に対し改善を要求する行為であり、「クレーム」とは、被害を受けたことに対し代償や保証を要求する行為で、結果として金品を要求するか、いちゃもんをつけて相手が困るのを愉しむものと定義しています。お客様相談室に入ってきた苦情に対しては「100%お客様の言うことが正しい」という前提に立ち、店の運営を改善するための「お客様の意見」として、対応してきたとのことです。ないように応じて、「苦情」なのか「クレーム」
なのかを判断しまず、誠心誠意対応することを心がけたとの事。

クレームの対処として、例えば金品の要求や、「上司を出せ」「あいつを辞めさせろ」といった無茶な要求には、「当社のルールがあります」と、毅然とした態度で臨むこと。クレーム対応のガイドラインのない企業は、早急に作るべきだとも言っています。また、「家や相手の事務所に呼ばれた時は、出されたお茶に手を付けてはいけない。椅子にも座らず、立ったまま、応対する。相手のペースに巻き込まれ、話が長くなるからだ。」と注意しています。

現在懸念していることとして「クレーム」が増えていることを指摘しています。その背景には、人と人との対話不足があるのだろう。さらに携帯電話やパソコンが普及。メールやネットが当たり前になったので、対面でのコミュニケーションが減ってきた。人と話す機会が減っているので、百貨店の店員は、客の不満をうまく受け止める対話力に欠けている。客の側も、不満を爆発させずにきちんと店に伝えることができない。社会全体がコミュニケーション下手になっている、と言っています。又、今後、団塊世代の退職で、元会社員の男性クレーマーが増えるであろうということ。退職しても、幹部であったら上司癖が抜けず、たまには部下を指導したいがそこには組織が無い。手ごろな相手を見つけて、指導という名の苦情をお店に持ち込む。その相手に「名の通った企業は、客に対して牙をむかないはず」と読んで、しつこいクレームをつけるようになるだろうと警鐘しています。

当方歳をとったせいか、ちょっとしたいろいろなことに文句、苦情を言いたくなっています。でも、基本的には改善を要求するものであり、良くなって欲しいという願望の基注意、意見をします。ただ残念ながら受け取るほうは、すべてクレームと受け取るか聞き流されます。多分うるさいおやじが文句を言ってきたと思っていることでしょう。苦情を素直に聞くのも顧客満足・サービスの一環です。見えるサービスは勿論ですが、見えないサービスも心がける必要があるのではないでしょうか?




Posted by walt at 00:02│Comments(2)
この記事へのコメント
普段シニアを対象にお仕事させていただいておりますが、
関根氏の心配されていることはわかります。
私自身がそういう経験をした訳ではありませんけどね。

あとwaltさんがおっしゃる通り、
指摘してくださるお客様って
期待しているからおっしゃるのだと思います。

どうでもよかったら、文句も言わないですから。
Posted by わかばくらぶ事務局 at 2007年09月14日 17:36
わかばくらぶ事務局さん

すでにシニアの方々にはその傾向があるのですね。
苦情処理・対応の良し悪しで、お客様がロイヤルカスタマーになると
言われています。スタッフすべてが苦情処理を真剣に対応するように
なれば最高ですね。
Posted by walt at 2007年09月14日 22:38
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    コメント(2)