2009年04月19日

677) 新茶の香りって何?

静岡のお茶市場が始まりました。これから本格的なお茶のシーズンの到来です。新茶はすでに3月
から種子島産が入荷し、その後、鹿児島産が4月になってから入荷しています。現在の経済状況をが
影響してか鹿児島産の新茶の取引価格は下がっており、静岡のお茶関係者は市場が始まる前から
気をもんでいるとのことでした。「夏も近づく八十八夜....」と茶摘唄がうたわれますが、現在では
八十八夜になる前から市場が始まっており、特に鹿児島の優位性は言うに及びません。今日の静岡
新聞朝刊静岡・中部ワイド版に藤枝支局の高橋記者が「静岡茶は旬のおいしさで勝負を」と言って
いましたが、記事を読んでなるほどと思った次第です。市場特に流通業者の要望で新茶の時期が早
まっているようですが、はたして消費者が本当に早期に新茶を飲むのを望んでいるかどうか疑問に
思います。それが「旬」ではないでしょうか?

本日、我々の日本茶のクラブで定例会が開催されました。本日のテーマは走しりの新茶を飲むこと
でした。幸い、鹿児島の種子島、知覧、頴娃(えい)、静岡の御前崎、丸子の5種類が手に入り、飲む
ことができました。「新茶と言ったら香りだよね」ということで、香りを重点にどのような淹れ方をすれば
香りを楽しむことができるか実験もしてみました。お茶の葉の浸出時間の違い、温度の違いによる香り
の影響を調べてみました。5つのお茶の中で御前崎は荒茶であり、知覧を除くその他の3種類は火入
れ香が薄いものでした。知覧はお茶を淹れる前から火入れ香が強く、お茶を淹れてもその火入れ香が
残り、新茶の香りなの?と思うほどでした。火入れ香の強いものは関東地区で好まれる為、たぶん
関東地区を意識した作りになっているのだろうと思いました。実際ペット茶でシェア一番の「おーいお茶」
は他のペット茶と比較すると火入れ香が強いことが特徴です。

本日は11名の参加者でしたが総合的に判断すると、今回の5種類のお茶については「新茶の香り」が
強いというものはなく、「新茶の香りって何だろう?」と改めて疑問に思ってしまいました。「青葉のすが
すがしい香」が新茶の香りとすると、その域に達していないということです。それが「旬」ということにな
るのではないかと思った次第です。今月末から来月初旬にかけて新茶の最盛期となります。その時の
お茶が「新茶の香り」を感ずることができたとしたら、それが「旬」ではないでしょうか?

先日のブログで当クラブのお茶摘みの案内をさせていただきました。また、プレスリリースでも案内
をさせていただきましたが、来週の26日にお茶摘みを開催します。午後は茶園に行きお茶の芽の出具
合をチェックしてきました。昨年の同時期を予定しましたが芽のでが悪く1週間延期した経緯がありま
す。しかし、今年は昨年よりも早いようで来週は問題なく開催されるだろうと思われました。我々は
土日しか作業できない関係もあり、26日の開催ですが本来であれば適採期ではありません。それは
仕方ない事です。26日に雨が降らないことを祈るばかりです。

677) 新茶の香りって何?



Posted by walt at 01:08│Comments(0)
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