2009年01月26日

596) 焼津の鰹節は何処へ

色々な経済学者や評論家がいつの日からか「100年に一度とも言われる世界同時不況の波が
やってくる」と言われるようになり、それが一般的な見方とされてしまいました。しかし、あるコラ
ムニストが「100年に一度と言うけれど今年の2009年から100年遡ると1910年となり1910年
以降の100年の間には関東大震災があり、世界恐慌があり、そして第二次世界大戦があった
のだから、それらを経験した日本では「100年に一度」が当てはまらないと言っていました。それを
聞いて「それもそうだ」と思ったのは当方だけでしょうか?まだ実感としてせっぱつまっていない事
はまだまだみんな余力があるということでしょうか?

先週、「カツオ節製造販売大手のヤマキとマルトモが販売した商品に不適正表示があったとして、
農林水産省は1月23日付けで日本農林規格(JAS)法に基づく改善指示を出した。」というニュース
が流れました。また、産地偽造か?と思った瞬間愕然としました。焼津の鰹節屋さんに知人がいて、
昨年初めにカツオの漁獲高はとっくの昔に焼津が一番ではなく鹿児島の枕崎が一番になっている
と聞かされ、原油高の影響もあり、インド洋で釣り上げたカツオを焼津まで持ってくる燃料費を考え
ると枕崎でおろした方がコストが削減できるとも聞かされました。そして、かつての焼津が鰹節の
日本一ではないことを知った次第です。一昨年前に焼津の鰹節組合が新しいキャッチロゴマークを
一般公募して採用されましたが何か焼け石に水といった感じがしないでもありません。

当方が愕然としたのは業界トップのヤマキがカツオ節にカビを付けないものを「かれ節」として不当
表示した問題ではなく、業界2位のマルトモが原材料のカツオ節に焼津産が混入していたにもかか
わらず、「枕崎産」または「薩摩産」と表示していたことです。ということは業界では「焼津産」として
売るより枕崎産」または「薩摩産」として売る方が消費者には受け入れられるということを暗にほの
めかしていることになるからです。3年前に原産地表示が義務付けられ、それまで京都宇治に出荷
していた岡部の玉露が販路を断たれたことが話題になりましたが、それと同じことが鰹節業界でも
起こっていたということです。焼津の鰹節屋さんが静岡市内の静岡物産展で枕埼の鰹節を平気で
売っていましたが、鹿児島のお茶を同ブサンテンで販売すると同じことです。県も市も気にしていない
ことなのでしょうか?当方には理解兼ねます。

そして、ヤマキもマルトモも静岡の企業ではなく、鹿児島の企業でもなく、両社とも愛媛県伊予市の
企業であったことを今回初めて知りました。ヤマキは静岡営業所があるだけです。何故愛媛県伊予市
なのか分かりませんが何らかの歴史的背景があることでしょう。さて、これからの焼津の鰹節はどう
いう方向性を採っていくのでしょうか?久しぶりに焼津の鰹節屋さんの知人に会ってみようと思いま
した。今では鰹節削りを知らない世代が多くなっていることでしょう。我々が小さいときは、鰹節を削る
よう母親から言われたものです。その鰹節削り器も今では家の中を探しても多分無いでしょう。
貴方の家にはありますか?



Posted by walt at 20:48│Comments(0)
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