2008年12月17日

556) フィリップ・コトラー氏のインタビュー記事

アメリカのマーケティングの大家であるアメリカノースウェスタン大学経営大学院 教授である
フィリップ・コトラー氏のインタビュー記事が日経BPネットに掲載されていました。コトラー氏
の著書「マーケティング・マネジメント」は教科書的な本となっておりとても有名な方です。
1931年生まれのため、すでに77歳となっていますが、まだまだ第一線で頑張っています。
この取材と記事は日経ビジネス社の水野 博泰氏によるもので、一部を紹介させて頂きますが
是非記事にアクセスして全文読んで頂ければと思います。

この記事で、コトラー氏は冒頭次のように述べていました。

「危機は痛みだけではなくチャンスをも作り出す――。その発想と行動こそがマーケティングの
真骨頂と信じるからだ。悲嘆に明け暮れているだけでは座して衰退を待つようなもの。事業の
隅々を見渡して、変えるべきは変え、守るべきは守り抜け。数年後、違いは歴然と表れるだろう」
と。

ここ数年来、好況が続いてきました。又、デフレによる物価の安定もあり、我々はそれがあたり
前のような錯覚に陥っていたのではないでしょうか?17年間も値上げがなかったといわれる食料品
こそ以上だったかも知れません。勿論そこには想像以上のメーカーの努力があったことと思います。
好況があれば不況が来るものと思えば、打つ手が考えられます。現在年の瀬を迎え、来る不況の波
に言葉では「大変だ、大変だ」と言い訳をして、対策を取ろうとせず、なんとなく時間が過ぎている
と言っても過言ではないように思われます。そのことにコトラー氏は応援の言葉を出してくれたの
ではないかと思います。これからの経済危機で企業体質の良し悪しが、価値がきっと決まることで
しょう。

又、コトラー氏は、「景気後退期に企業が実行すべきマーケティングの基本動作は、4つある」
述べています。それは、
第1に、顧客がどう変わりつつあるのかを注視すること。
第2に、自社の製品やサービスを再点検すること。
第3に、製品が顧客の手に届くまでの全プロセスを再点検すること。
第4に、販売促進の抜本改革。
ですと。

又、氏は「マーケティング部門が孤軍奮闘するだけでは何も変えることはできません。経営トップは
もちろん、財務、法務、会計、販売、製造、技術といった各部門が、マーケティングとは何なのか、
ブランドとは何なのかということをしっかり理解しておくことが必要です。いまだに販売(セールス)
とマーケティングを混同している企業経営者がいるのには驚かされます。」 実にその通りであり、
マーケティングを的確に表現できる経営者は多くはなく、販売と勘違いしているように見受けます。
もっと皆がマーケティングに目を向けて欲しいと以前から思っています。

ブランドは「4つのP(製品、価格、流通、プロモーション)」を結びつけて、一体化させると言って
います。そして常々

「あらゆる物がブランドであり、すべての人がブランドである」

とも言っているようです。マーケティングは市場、すなわち顧客と向き合うことそのものであり、ブラ
ンドはそのための道具なのですと。ブランディングはマーケティングには切っても切り離すことので
きないものになっているということです。
要するに、景気後退期であるからこそしっかりとしたマーケティングの基礎動作をして、ブランドの
再構築をすること。今だからこそマーケティングによって今後の道が占えるということでしょう。

マーケター諸君、今がチャンスだ:
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_32013_714764_194




Posted by walt at 21:17│Comments(0)
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