2008年11月05日

514) 何処まで行くの企業のコラボレーション

消費者の多様化に伴い、作れば売れる時代はとっくの昔になくなり、いまや、メーカーは新商品の
開発には頭を抱えています。その為、中小メーカーは流通業者向けのプライベートブランドのOEM
供給をするようになりましたが、現在では業界大手もPB作りに力を入れています。その表れの一つ
が、昨日書きました「日経トレンディ2008年ヒット商品ベスト30」の1位がプライベートブランド
だったのではないかと思います。又、メーカーも、全てが自社開発では新商品の開発は難しく、
他社とのコラボレーションによる開発も積極的に進めています。

昨日11/4、株式会社ワコールは、「薄い・軽い・暖かい」をキャッチフレーズとした肌着「スゴ衣」
(女性用)と、宮崎県産ピーマンのコラボレーションキャンペーンを実施すると発表しました。
ワコールのニュースリリースによると、「スゴ衣」がピーマン約2個分の軽さ(66g)ということから、
食料品(ピーマン)の袋を活用して、肌着をアピールするという、従来接点がなかった衣料品と
食料品のユニークなコラボレーションを実現し田とのことです。期間中「スゴ衣」の広告が印刷
された宮崎県産ピーマン2袋をお買上げ頂き、外袋のJANコードを切り取って応募すると、抽選で合計
2,000名に「スゴ衣」をプレゼントするそうです。対象となる宮崎県産のピーマンは、全国の株式会社
イオングループ各社小売店、およびチェーンストア等の食料品売場で、2008年11月~2009年1月
に合計2,000万袋の販売を予定しているということです。「ピーマン」という日常の食料品の購入を
通じて、「スゴ衣」の認知向上と売上拡大を図るようです。「スゴ衣」は軽いうえに暖かいというのが
コンセプトで開発されました。又、ワコールによると宮崎県産ピーマンの冬季出荷量が日本一だった
ため、同じ冬季商品である「スゴ衣」と連動させることを思いついき今回のキャンペーンに至った
ようです。

今までの販促パターンですと自社商品を購入すると、何かプレミアムのある商品が抽選で当たると
言うものが圧倒的でした。しかし、今回は日用品、しかも生鮮食料品を買うと自社の商品が当たると
いう逆パターンです。宮崎県のピーマンからすると、意外性のPRと共に多分広告賛助金を出して
もらい、パッケージを作ることからコストダウンになっているはずです。ピーマンの売り場で宮崎産
と例えば静岡産が並べば、消費者が迷ったときに宮崎産を買う機会が増えるでしょうし、キャンペーン
をしている宮崎産を買うきっかけにはなりますが、複数の産地のピーマンが売り場に並ぶことはあまり
ないのではないでしょうか?と思っていたのですが、今日静鉄ストアを覗いたら、鹿児島産と茨城産
のピーマンが並んでいました。でも、取り扱いたいというお店が増えることはあると思います。
宮崎産ピーマンからしてみると渡りに船ですね。消費者からすると、2,000万袋の販売目標ですから
1,000万袋に対して2,000名に「スゴ衣」が当たる確率となります。5,000人に1人が当たる確率
です。購入者全員が応募することはないでしょうが、確率的には低いものです。この「スゴ衣」はそれ
ほどの価値がある肌着と思って良いのでしょうか?でも、これを仕掛けた広報担当者には脱帽です。
果たして「スゴ衣」の販売がこのキャンペーンで活性化し、ヒットするかが見ものです。

多分、年末に掛けて2匹目のどじょうが出てくるはずです。すでに、企画を考えている担当者もいるかも
知れません。静岡の農産物を例に取ると「イチゴの紅ほっぺを買って、ユニクロのフリースが抽選で
当たります」と言うのが出てきてもおかしくありませんね。ユニクロさん如何でしょうか?
スーパーに行ったとき、宮崎産ピーマンがあるかチェックしてみましょうね。

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Posted by walt at 21:05│Comments(0)
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