2008年09月08日
456)インド「タタ自動車」の目論み
自動車に興味のある方であれば、記憶していることと思いますが、今年の1月にインドのタタ自動車は
小型大衆車の「ナノ」を発表し、自動車業界の話題をさらいました。それは2,500ドルの自動車だった
からです。発表では今年の10月から発売されるとのことでしたが、紆余曲折、ストレートな道のりでは
なく、発売延期がささやかれているようです。
タタ自動車ですがちょっとおさらいします。インド最大の財閥タタグループの自動車部門で、1945年
設立されました。2007年度の販売台数は58万台、主力は商用車です。乗用車部門の強化を図って
おり、今年6月には米フォードより高級自動車である「ジャガー」「ランドローバー」を買収し、このことも
話題となりました。2,500ドルの小型乗用車「ナノ」の発表で、自動車業界に知られる名前となりまし
た。本日のフジサンケイビジネスアイでは、「タタ自動車が年内にも東京証券取引所に上場すると
いう計画が注目されており、部品メーカー買収の布石?との憶測も流れ、関係者からは期待と不安
の声があがっている」とのことです。日本で実績のない会社が何故上場できるのかと言うと、海外企
業誘致のために導入された日本預託証券(JDR)の活用を利用して上場するようです。上場により
1000億円を調達して設備投資に充てるようです。そして高い技術のある日本の部品メーカーを傘下に
いれることを目論んでいるようです。証券アナリストは独立系の系列に属さない部品会社が狙われ易い
とも言っています。
インドの自動車産業と言うと、メーカー各社は今後の需要の高まりを見据えて、その市場の重要度を高
めているようです。仏ルノーと共同で日産自動車はチェンナイに生産能力40万台の工場を建設中で
あり、低価格車を開発するため、インドの2輪車大手バジャージ・オートと合弁会社も設立しています。
インドで日本勢のトップシェアのあるスズキは、インドを欧州市場などへの輸出拠点とする野心的な計
画を立てているようです。スズキのスイフトが100万台達成というテレビCFを流していますが、国内で
100万台販売されることは考えられませんので、多分インドやヨーロッパで販売が好調なのではない
でしょうか?もしかしたら、すでにインドからヨーロッパに向けて輸出されているかも知れません。
ところで、タタ自動車に話を戻しますが、「ナノ」の10月発売が延期されるだろうと推測されるのは、
工場に推定3万人の抗議者が8月24日に集結し、工場に連結する道路を封鎖する騒ぎを起こしたそう
です。西ベンガル州政府による工場周辺の160ヘクタールもの土地接収のあり方に抗議するため
だったそうです。その為、工場が稼動していない模様であり、発売時期までに十分な台数を生産
できるか疑わしい状況になっているようです。又、材料費の値上げにより2,500ドルがキープできるか
どうか難しいとの意見も出ているようです。インドの労働争議、抗議問題は今に始まったことではなく、
過去にはトヨタや、ホンダが巻き込まれて、多大な損失を出したことがあるようです。よって、このタタの
工場土地問題も長期化する恐れが充分にあります。6ヶ月ほどの発売延期で収まるか?それとも
値上げせざるを得ない状況になるか?のどちらかでしょう。
石油価格の高騰、アメリカの景気後退の影響で、自動車の販売台数の下降修正をせざるを得ない
状況となっています。日本の場合は、若者の自動車離れが販売の減少のもう一つの理由となって
います。タタの2,500ドルの自動車が日本に入ってきたとしたら、爆発的に売れるのでしょうか?車検
の問題もあるし、排ガス規制、その他クリアーとしなければならない問題が山積みと思われます。タタ
自動車が日本で上場した暁には、販売網も確率するのでしょうか?それとも、何処かの自動車会社と
共同で販売するのでしょうか?当方は、安くても購入しないと思います。
貴方はセカンドカー、サードカーとして利用しますか?
小型大衆車の「ナノ」を発表し、自動車業界の話題をさらいました。それは2,500ドルの自動車だった
からです。発表では今年の10月から発売されるとのことでしたが、紆余曲折、ストレートな道のりでは
なく、発売延期がささやかれているようです。
タタ自動車ですがちょっとおさらいします。インド最大の財閥タタグループの自動車部門で、1945年
設立されました。2007年度の販売台数は58万台、主力は商用車です。乗用車部門の強化を図って
おり、今年6月には米フォードより高級自動車である「ジャガー」「ランドローバー」を買収し、このことも
話題となりました。2,500ドルの小型乗用車「ナノ」の発表で、自動車業界に知られる名前となりまし
た。本日のフジサンケイビジネスアイでは、「タタ自動車が年内にも東京証券取引所に上場すると
いう計画が注目されており、部品メーカー買収の布石?との憶測も流れ、関係者からは期待と不安
の声があがっている」とのことです。日本で実績のない会社が何故上場できるのかと言うと、海外企
業誘致のために導入された日本預託証券(JDR)の活用を利用して上場するようです。上場により
1000億円を調達して設備投資に充てるようです。そして高い技術のある日本の部品メーカーを傘下に
いれることを目論んでいるようです。証券アナリストは独立系の系列に属さない部品会社が狙われ易い
とも言っています。
インドの自動車産業と言うと、メーカー各社は今後の需要の高まりを見据えて、その市場の重要度を高
めているようです。仏ルノーと共同で日産自動車はチェンナイに生産能力40万台の工場を建設中で
あり、低価格車を開発するため、インドの2輪車大手バジャージ・オートと合弁会社も設立しています。
インドで日本勢のトップシェアのあるスズキは、インドを欧州市場などへの輸出拠点とする野心的な計
画を立てているようです。スズキのスイフトが100万台達成というテレビCFを流していますが、国内で
100万台販売されることは考えられませんので、多分インドやヨーロッパで販売が好調なのではない
でしょうか?もしかしたら、すでにインドからヨーロッパに向けて輸出されているかも知れません。
ところで、タタ自動車に話を戻しますが、「ナノ」の10月発売が延期されるだろうと推測されるのは、
工場に推定3万人の抗議者が8月24日に集結し、工場に連結する道路を封鎖する騒ぎを起こしたそう
です。西ベンガル州政府による工場周辺の160ヘクタールもの土地接収のあり方に抗議するため
だったそうです。その為、工場が稼動していない模様であり、発売時期までに十分な台数を生産
できるか疑わしい状況になっているようです。又、材料費の値上げにより2,500ドルがキープできるか
どうか難しいとの意見も出ているようです。インドの労働争議、抗議問題は今に始まったことではなく、
過去にはトヨタや、ホンダが巻き込まれて、多大な損失を出したことがあるようです。よって、このタタの
工場土地問題も長期化する恐れが充分にあります。6ヶ月ほどの発売延期で収まるか?それとも
値上げせざるを得ない状況になるか?のどちらかでしょう。
石油価格の高騰、アメリカの景気後退の影響で、自動車の販売台数の下降修正をせざるを得ない
状況となっています。日本の場合は、若者の自動車離れが販売の減少のもう一つの理由となって
います。タタの2,500ドルの自動車が日本に入ってきたとしたら、爆発的に売れるのでしょうか?車検
の問題もあるし、排ガス規制、その他クリアーとしなければならない問題が山積みと思われます。タタ
自動車が日本で上場した暁には、販売網も確率するのでしょうか?それとも、何処かの自動車会社と
共同で販売するのでしょうか?当方は、安くても購入しないと思います。
貴方はセカンドカー、サードカーとして利用しますか?
Posted by walt at 21:11│Comments(0)