2008年07月01日

387) 幸せのイメージを売るジャパネットたかた社長

昨日の読売新聞にテレビショッピングであの有名な、ジャパネットたかたの高田社長の記事が掲載
されていました。1948年生まれの今年60歳、1974年に父親の経営するカメラのたかたに入社し、
1986年に独立、現在は長崎県佐世保市に本社を置く年商1,161億円、従業員345人を有する会社
に成長しています。通販番組のほとんどを制作会社任せにせず、自社スタジオから生放送している
のが特徴です。

ジャパネットたかたと言うと、もちろんあの社長のキャラクターによるトークですが、2004年に発生した
元社員による情報流出で、素早い対応をとり50日間の営業自粛をとり、事件の解明、職場への監視
カメラの設置、携帯電話の職場への持ち込み禁止など再発防止に努め、信用度を大きく伸ばした事
でも有名です。当時営業自粛による損害額は100億円を超えたそうです。読売新聞のインタビュー
では「会社を売上で考えていない。これまで2回わざと前年比で売上を伸ばさなかったことがある。
急激に伸ばすと受注が取れない、配送が間に合わないなどのひずみが出て、顧客満足が上がらない」
と言っていました。このようなところから高田社長のお客様に対する仕事の考え方が伝わります。
そういえば、売上を多くするために、粉飾決算した経営者は過去数多くいましたね。

2週間ほど前、日経BPオンラインで、フリーの司会ををしている梶原しげる氏が「ジャパネットたかたの
本当のすごさ」と題したコラムが載っていました。その中で梶原氏は大型液晶テレビの販売トークに
高田社長は「商品の性能を細かく説明するより、その商品を購入することで、一家にどんな幸せが訪れ
るかをイメージさせることに心を砕く」と言っていました。「テレビは一人で見る物」から「居間で大型画面
を家族で見る」という新しいライフスタイルも提案しているということです。あのハイトーン、ハイスピー
ド、長崎なまりもすごいけど、高田社長が本当に優れているのは「幸せのイメージを伝える力」なのだと。

このところ色々な企業が、企業方針・使命・キャッチフレーズとして企業活動そのものを伝えるのでは
なく、住宅メーカーであれば、「住むという生活の住空間を提供する」とか、ゲーム関連であれば
「遊びをクリエイトするエンターテイメント企業」とか表現しています。まさに高田社長は以前から商品の
仕様を伝えるのではなく、その商品を使用したときの満足感、使用している時の自分を想像させる、
その喜びを想像させることに長けていたということです。自動車のディーラーで打ち合わせをしていた
時、隣のテーブルで娘さんと一緒に来ていたお父さんがいました。営業担当者はしきりに説明していま
した。多分、娘さんは「これが欲しい」と決めていたと思います。後はお父さんに「OK」と言ってもらう
だけだったでしょう。その営業担当者は何と言ってエンディングにしたか分かりませんが、自分だった
ら、「雨の日、清水駅に娘さんがこの車に乗って迎えにきてくれたことを想像して見てください。うれしい
ですよね」と。

営業担当者の貴方。もちろん商品の特徴は重要です。しかし、現在の物であふれた世の中、差別化
できなく多様化した商品が多い中で、どのように商品をアピールしますか?あなたからのメッセージ、
提案がお客様の夢や、希望、使用して良かったと思うような「幸せのメッセージ」をしてみませんか?
高田社長からそんな事を学んだ気がしました。





Posted by walt at 21:49│Comments(0)
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