2008年06月17日

373) 水と空気だけで発電?

先週の木曜日12日に阪府の議会会館で、大阪のベンチャー企業であるジェネパックス社が、水を
燃料とする燃料電池システム「WES:Water Energy System」についての技術発表会をしました。
燃料極に水を,空気極に空気を供給するだけで発電でき、CO2を排出しないというものです。

原油価格の高騰に良い、また、以前からいつかは石油が枯渇し、代替エネルギーを確保すべく、
各国各社が研究を進めています。太陽電池もそのひとつであり、燃料電池もその候補として昔から
研究が進んでいます。我々には馴染みのあるものが太陽電池であり、屋根に太陽電池パネル
を設置している家もあると思います。燃料電池に関しては、まだ実用にはなっておらず、試験的に
東京ガスが家庭用燃料電池であるコジェネシステムもモニター設置しています。電気ができる時の
熱をお風呂などの給湯のに利用するものです。又、自動車用には水素燃料電池の開発が進んで
おり、本日ホンダが新しい燃料電池システムを開発し、アメリカでモニター運転をすることが新聞に
載っていました。ただ、この車は、水素ステーションで水素をタンクに入れ、水素と空気を反応させ
電気を発生させる燃料電池システムです。

日本では、「燃料電池」という言い方をするため、誤解をする人がいますが、電池ではなく発電機と
思った方が理解しやすくなります。燃料電池で発電した電気をバッテリーに貯めて、バッテリーの
電気エネルギーを利用してモーターを回転させ、車を動かします。燃料電池の一番大きな市場は
自動車関連といわれていますが、普及するにはまだ20年以上かかる2030年頃だそうです。
家庭用の燃料電池は10年後の2020年には普及しているといわれていますが果たしてどうなるで
しょうか?小型な燃料電池として現在のリチウムイオン電池に代わるべく、携帯電話用、ノートPC用
が開発されていますが2012年頃から普及するのでは?と言われています。ただ、これらの燃料電池
技術はすでに10年以上研究されていますがまだ技術的なハードルが高いそうです。

今回のジェネパックス社の水を燃料として発電する燃料電池は、今まで研究開発してきたシステムと
はまったく異なり、もし本当に水のみから発電するとしたら画期的なものとなります。ジェネパックス社
のホームページでは

開発の背景
ジェネパックスは、子供たちの未来へ明るい希望を残すために、自然環境にやさしいエネルギーを創
る研究を続けてきました。水素燃料電池に着目し、開発を進めてまいりましたが、水素燃料電池を
普及させる上で、水素発生・貯蔵のためのコスト、安全性、CO2排出という問題点がありました。それ
を解決する研究を続けた結果、直接水を供給することにより発電するWESシステムの開発に成功しま
した。水素燃料電池との比較において、水素発生にかかるコスト及びCO2の排出がなく、貯蔵に関わ
る安全性の問題点がないため、広く普及することが期待できます。

WES(ウォーターエネルギーシステム)の特徴
水から電力と熱を取出す過程で、化石燃料を一切使わず、化石燃料以外のエネルギーも使用しま
せん。すなわち、他のエネルギー源を必要としない、独立電源として、設置場所を選ばず、インフラ
整備も必要としません。また、CO2の排出がゼロのため、環境への負担もかけません。

と、書かれてありました。もし、この開発が本当であればノーベル賞ものですが、理論的に説明のつ
かないことがあります。そのため、知識者の間では「眉つば」と言われたりして、賛否両論あるよう
です。長年燃料電池を研究開発してきた研究者は、今までのすべてが解消され、今までの苦労して
きたこと、そして今後解決しなければならないことが意味のないことになってしまいます。

さて、貴方は「へー、すごい」と感心しますか?それとも「そんなはずがない」と思いますか?
今後どのような展開になっていくか見ものです。これほどまでの研究発表、もっとマスコミが報道して
も良い内容ですが、知らない人が多いということは何かあるかも知れませんね。

ジェネパック社: http://www.genepax.co.jp/




Posted by walt at 23:25│Comments(0)
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