2010年07月16日

1012) 日本企業のグローバル化

7月になると毎年気にしていることがあります。それは、蝉の鳴き始める日のことです。日本は季節感のある自然現象がたくさんあります。俳句でも季語があるように、又、暦の上でも色々な行事や習わしがあります。昔の人はそれらで風情を楽しんでおり、又、旬の食べ物やその時期に食べる習慣もあります。食べ合わせもありますので、日本人ほど、世界中で繊細な、季節感を楽しむ民族はいないのではないでしょうか?蝉の話に戻りますが、静岡では7月の初旬になるとまずは、ニイニイゼミが鳴き始めます。そして学校が夏休みになる頃、クマゼミが鳴き、8月になると夕方アブラゼミが鳴きます。9月に近付くとツクツクホウシが鳴き、夏休みの終わりを告げます。只、残念なことに当方が住んでいる地域では夕方ヒグラシの鳴くのを聞くことがありません。夕方になるとヒグラシが「カナカナ」と鳴いて時を告げるのがとても風情があると思っています。今年はニイニイゼミの鳴き声を7/7に聞きました。「チー、チー」と泣きます。只、このところ聞く機会が極端に減ったように思います。これも環境の変化なのでしょうか?そして、昨日クマゼミの鳴き声を耳にしました。クマゼミは天気の良い朝がたから鳴き出します。6時過ぎには「シャンシャンシャン」と鳴き、うるさくて寝て入れません。7月末から8月にかけて大量に出てきます。それが昨日、それも昼間に鳴いているのを聞きましたので、例年より早く、又ちょっと季節はずれ(梅雨が終わっていないため)ではないかと思っています。又、昨日の夕方犬の散歩で江尻小学校と巴川の間を歩いていると何か動くものがありました。よくよく見ると蝉の幼虫で下。しかもクマゼミです。クマゼミの幼虫にしては小さく感じました。そのまま放置しても良かったのですが、車にひかれる可能性もあったため、連れて帰り自宅の花瓶の花に付けました。夜になって気づくとすでに羽化してクマゼミが抜け殻に留っていました。当方幼いころ蝉の幼虫を捕まえるために夜神社に行き穴が空いている所に懐中電灯を照らし、細い枝を入れるとそれに幼虫が掴まって出てきたものです。そして家に帰り羽化を待ちましたが、たいてい朝がた羽化したと記憶しています。それが今回、夜のうちに羽化したのでとても驚きました。気づかないところで、環境が刻々と変わっていることを知った次第です。

先日、テレビのドキュメンタリー番組で「楽天が英語を公用語化する」と伝えていました。又、ユニクロも2012年3月から社内の公用語を英語にする方針を明らかにし、海外のオフィスはもちろん、日本のオフィスでも外国人社員が参加する会議などで使用する言語は原則英語にするそうです。これは今後のグローバル化を目指した試みのようです。又、電子部品のコイルの製造販売会社である「スミダコーポレーション」は「英語がインターネット上の主要な言葉であるとともに、ビジネスでの共通語であるため、2002年1月1日から英語をスミダグループの共通語にしました」とのことでした。その甲斐あって、売り上げは順調に伸びているとのことでした。これらのニュースを聞いた時、「なるほど、日本の企業は内需だけでは今後の売り上げ増は期待できず、各社海外市場に目を向け、いわゆるグローバル化を図るのだろう」と思いました。そういえば過去日産にゴーン社長が赴任した時、大リストラを行うとともに英語での会議になることが伝えられ、当時話題になったことを思い出しました。それはグローバル戦略の一環であったのかそれとも、単に社長とのコミュニケーションをとるうえで英語が必要だったのかは定かではありません。その後、日産の英語公用語はどうなったのでしょうか?

会社員時代に当方台湾赴任が決まった時、英語の特訓講座に参加しました。台湾でも多くの人が英語を話すと思っていました。香港やシンガポール同様、英語がビジネスの基本と思っていましたが、その予想はくずれました。勿論外国人相手では英語で話をしましたが、中国語の必要性を痛感しました。「郷にいりては郷に従え」であり、中国語がわかったほうが親近感が増し、打ち解ける事に気づきました。そして、現地で夜間の中国語講座に通いました。今回のユニクロ、楽天の英語公用語化に関してネットで検索すると、すでに色々な意見が飛びかわっていました。賛否両論あることが良くわかりました。そして我々の得る情報は断片的であったということです。楽天の広報担当者は「これだけ話題になるっていることが、逆に日本の英語アレルギーがいかに強いかを示していると思いますね」。楽天の三木谷浩史社長が英語による会見で「英語公用語化」をぶち上げた翌日、取材を申し込むと、広報担当者は幾分あきれた口調でこう返答した。「同じような取材の申し込みが殺到している。あの会見は国際戦略の発表で、そこを報道してほしかったのに、英語化の部分だけ取り上げられてびっくりです」と。現在、6カ国・地域で展開している事業を、最終的に27カ国・地域に拡大することを計画している楽天は、今年2月、全社員が集う週1回の朝会や経営会議の会議資料を英語化。3月には役員会議、幹部会の口頭説明を英語にし、4月からは朝会、取締役会も英語にしたとのこと。第一の目的は、現場レベルでの情報共有だそうです。ユニクロにおいてはグループ全体の売上高を2020年8月期までに現在の7倍超の5兆円に拡大する目標を掲げています。日本の人口が減少する中で、目標を達成するためには海外市場の攻略が欠かせず、海外出店を加速、全世界の店舗数を現在の946店から2020年には4,000店に増やし、売上高の増加分の大半を海外市場でまかなう戦略をたてています。そこでグローバル化として英語公用語化となったのでしょう。

日本は島国として、鎖国を経て、諸外国との付き合いが150年しか経っていません。単一民族国家で諸外国と比較すると特質と言っても過言ではありません。ようやく日本企業もいかにしてグローバル化することを模索し始めたのだと思います。その一つの手段が英語公用化なのでしょう。今後色々な企業がその企業独自の戦略を持ってグローバル化の道を進むことでしょう。どの道が正しいかまだ結論はだせませんが、注目する必要もあるでしょう。貴方のグローバル化って何ですか?

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Posted by walt at 22:12│Comments(0)
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